青山学院大学ジェロントロジー研究所

井上 孝

氏名
井上 孝
所属・職名
経済学部・教授
学位
博士(理学)

ジェロントロジー研究所における研究概要

日本の65歳以上の人口割合は2016年時点で約27.3%であり,世界で最も高い水準にある。さらに,この値は2050年に38%程度まで上昇することが見込まれており,こうした急速な高齢化に対応することは日本の喫緊の課題といえる。一方,私は,全国の21.7万あまりの小地域(町丁・字)を単位とした,2015~60年の男女5歳階級別将来推計人口を独自に算出し,「全国小地域別将来人口推計システム」として2016年にウェブ上に公開した。このような小地域単位の将来人口推計は,これまでの市区町村別の推計に比べて格段に情報量が多く,さまざまな視点から日本の高齢化の進展について分析することが可能である。そこで本研究所では,同システムのデータを最大限に活用し21世紀における日本の高齢化について論じたい。

職歴

期間 所属・職名
2002年~現在 青山学院大学経済学部教授
1995年~2002年 青山学院大学経済学部助教授
1993年~1994年 秋田大学教育学部助教授
1991年~1993年 秋田大学教育学部専任講師
1991年~1991年 筑波大学地球科学系助手
1989年~1990年 日本学術振興会特別研究員

学歴

期間 所属・身分
1984年~1990年 筑波大学大学院博士課程地球科学研究科
1982年~1983年 筑波大学第一学群自然学類研究生
1978年~1982年 筑波大学第一学群自然学類

受賞・フェローシップ

受賞年 賞・フェローシップの名称
2015年 The Award of First Prize in the Poster Competition, The 8th International Conference on Population Geographies
2012年 日本人口学会普及奨励賞(共同受賞)
2006年 シンフォニカ統計GIS活動奨励賞(共同受賞)
1989年 日本地理学会研究奨励賞

主な社会活動・大学外の委員活動

期間 内容、組織名・委員名
2014年~2016年 JICA技術専門員
2013年~2014年 東京都人口推計作業アドバイザー
2012年~2015年 東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)共同研究員
2011年~2015年 地方行政のためのGISチュートリアルセミナー組織者
2009年~2009年 内閣府統計委員会専門委員
2006年~2006年 JICAタンザニア統計プロジェクト短期専門家
2005年~現在 国立社会保障・人口問題研究所外部評価委員
2002年~2003年 国土交通省委員会委員
1999年~2000年 アジア経済研究所専門員

研究キーワード

  • 地域人口
  • 人口統計
  • 小地域
  • 将来人口推計
  • GIS

所属学会

  • IUSSP(国際人口学会)
  • 地理情報システム学会
  • 地理空間学会
  • 日本統計学会
  • 人口学研究会
  • 経済地理学会
  • 日本人口学会
  • 人文地理学会
  • 日本地理学会

主要研究業績(学術論文・著書・分担執筆・特許・Webツール公開など)

  • 2018年 「全国小地域別将来人口推計システム」正規版の公開について.E-journal GEO, 第13巻,第1号, pp.87-100.
  • 2018年 The reconsideration of the census survival ratio method: focusing on decomposability of net migration. 『経済研究』,第10号,pp.39-53.

    2017年 The Web Mapping System of Small Area Population Projections for the State of Washington(http://arcg.is/2s5i2Vk)Ver.1.0公開

  • 2017年 A new method for estimating small area demographics and its application to long-term population projection. pp.473-489, Swanson, D. A. ed., The Frontiers of Applied Demography, Applied Demography Series 9, Springer International Publishing Switzerland, 517p.
  • 2016年 「全国小地域別将来人口推計システム」日本語版(http://arcg.is/1LqC6qN),英語版(http://arcg.is/1GkdZTX)Ver.1.0公開
  • 2016年 ポスト人口転換期の人口移動,pp.111-133,(佐藤龍三郎・金子隆一編著『ポスト人口転換期の日本 人口学ライブラリー17』原書房,230p)
  • 2016年 全国の小地域別将来人口推計に関するウェブシステムの開発について.『エストレーラ』,第262号,pp.2-9.
  • 2014年 人口移動モデルと国際結婚移動.『人口問題研究』,第70巻,第3号,pp.264-274.
  • 2014年 都市の規模別分布に関する統計モデル―順位規模法則と対数正規分布モデルの適合度の比較―.『統計(日本統計協会)』,第65巻,第8号,pp.9-15.
  • 2014年 『首都圏の高齢化 人口学ライブラリー14』原書房,224p.(渡辺真知子との共編著)
  • 2013年 DIDに準拠した人口集積地の画定法―ArcGISを用いて―.『エストレーラ』,第227号,pp.12-19.
  • 2012年 Which Does City Size Distribution Depend on, the Rank-Size Rule or the Lognormal Distribution Model? The Aoyama Journal of Economics, Vol.64, No.3, pp.1-20.
  • 2012年 GISを用いた人口集積地の画定の試み―DIDの基準に着目して―.『統計(日本統計協会)』,第63巻,第9号,pp.20-28.
  • 2011年 原発近接地域の人口・世帯の分布と構造.『統計(日本統計協会)』,第62巻,第9号,pp.12-21.
  • 2011年 『地域と人口からみる日本の姿』古今書院,126p.(石川義孝・田原裕子との共編著)
  • 2010年 Hypergamy and Hypogamy in International Marriage: A Case of Recent Marriage between Japanese and Korean. The Aoyama Journal of Economics, Vol.62, No.3, pp.43-55.
  • 2010年 スペイン・インフルエンザによる死亡の拡散過程,pp.77-98,(高橋眞一・中川聡史編『地域人口からみた日本の人口転換』古今書院,236p)
  • 2009年 小地域統計の有用性―ウェブサイト「地図で見る統計」の活用法を中心に―.『統計(日本統計協会)』,第60巻,第10号,pp.18-24.
  • 2009年 人口とGIS,pp.99-115,(柴崎亮介・村山祐司編『シリーズGIS第5巻 社会基盤・環境のためのGIS』朝倉書店)
  • 2005年 『事例で学ぶGISと地域分析―ArcGISを用いて―』古今書院,180p.(高橋重雄・三條和博・高橋朋一との共編著)
  • 2004年 Life-course perspective on some distinctive features of migration from non-metropolitan prefectures in Japan. Geographical Review of Japan, Vol. 77, pp.765-782. (K.L.Liawとの共著)
  • 2002年 『日本の人口移動―ライフコースと地域性―』古今書院,195p.(荒井良雄・川口太郎との共編著)

招待講演

  • 2015年 日本学術会議シンポジウム(演題:コーホート別社会増減の地域差からみた人口減少問題)
  • 2015年 秋田氏講演会(演題:秋田市の将来推計人口をめぐる悲観論と楽観論―日本創生会議の報告を受けて―)
  • 2013年 第18回厚生政策セミナー(演題:人口移動モデルと国際結婚移動)
  • 2012年 Center for Survey Research, Research Center for Humanities and Social Sciences, Academia Sinica, Taipei, TaiwanのWorkshop on Community-based GISでの講演(演題:Demographical Analysis Using GIS and Small Area Population Statistics)
  • 2011年 総務省統計研修所平成23年度本科特別講義講師(演題:GISによる地域人口分析)
  • 2011年(財)日本統計協会第59回統計セミナー講師(演題:原発近接地域の人口・世帯の分布と構造)
  • 2010年 神奈川県地方統計職員業務研修講師(演題:小地域の人口分析―政府のサイト「地図で見る統計」の徹底活用法―)
  • 2010年 茨城県地方統計職員専門研修講師(演題:国勢調査小地域人口データの分析法―政府のサイト「地図で見る統計」を用いて―)
  • 2009年(財)日本統計協会第54回統計セミナー講師(演題:小地域の人口分析―政府のサイト「地図で見る統計」の徹底活用法―)
  • 2008年 Center for Survey Research, Research Center for Humanities and Social Sciences, Academia Sinica, Taipei, Taiwanのセミナーでの講演(演題:Hypergamy and Hypogamy in International Marriage: A Case of Recent Marriage between Japanese and Korean)
  • 2005年 JICA技術協力プロジェクト「タンザニア国家統計局統計データ提供能力強化プロジェクト」の一環として開催された,タンザニアからの研修生を対象とする国内セミナーの講師(演題:Region Code Systems in Japan: from the viewpoint of GIS)
  • 2004年 日経消費経済フォーラム月例セミナー講師(演題:団塊ジュニア世代の人口特性-団塊世代との比較論-)
  • 2003年 日本統計協会第34回統計セミナー講師(演題:人口流動と地域社会)
  • 2001年 中央大学経済研究所公開講演会講師(演題:The Integrated Model of Intra-urban Population Distribution and Migration)

その他(メディア出演等)

  • NHKやフジテレビ等において人口問題を解説
  • 週刊ダイヤモンド等において将来人口推計の手法についてアドバイス
  • その他多数の雑誌において現代日本の人口問題を解説